学習院大学における生成系AIの利用に関する基本的な考え方
2023.09.20
その他
学生生活
令和5年9月20日
学習院大学における生成系AIの利用に関する基本的な考え方
学習院大学
ChatGPT等の生成系AI(人工知能)が公開され、瞬く間に各方面に拡がっています。同時にその利用の是非も取り沙汰されています。
この技術は、今後より高度に発展しかつ利用のルールが確立されて、いずれ社会活動の重要なツールとなることは間違いなく、教育・研究の場にも大きな影響を持ちます。これを踏まえ、以下に、本学の生成系AIに対する基本的な考え方と利用に当たって注意すべきことを示します。
1.生成系AIとは
「生成系AI」とは、利用者の入力する質問等に対する回答として、インターネット上に存在する大量のデータを用いて、文章、画像、動画、音声、プログラム等の様々な情報を出力することのできる人工知能のことをいう。これには、ChatGPT、Bing AI、Bard、Stable Diffusion、Midjourney等が挙げられる。
2.機密情報や個人情報の流出・漏洩等の可能性
生成系AIに入力した内容は、他の使用者の回答に利用されるおそれがあり、また、個人情報や機密情報を入力した場合、それらの情報が流出する可能性がある。よって、個人情報や機密情報、未発表の研究成果、他者の人権を侵害する内容などの入力をしてはならない。
3.出力内容の不正確性
生成系AIが出力する情報には、情報源が示されておらず、不正確な情報や矛盾する情報、時には、差別や偏見を含む情報が含まれることがあることに留意しなければならない。
4.著作権に関する留意点
AIが生成したコンテンツには他者の著作物が含まれることもあるため、著作権の侵害や剽窃となるおそれがあることに留意しなければならない。
5.学生が、授業で生成系AIを利用するにあたっての注意点等
- 生成系AIは今後において社会活動の重要なツールとなることがみこまれる。学生はAIに対する理解や、AIの扱い方・活用方法を学ぶことが必要となる。
- 一方で、人の知的活動をサポートする道具は、それを誤用すると、知的活動能力の成長を阻害する。本学における教育は、単に知識を獲得するだけでなく、それを自身の頭の中で咀嚼し、自身の考えを外に向かって発信するための訓練である。その過程をAIに任せてしまったら、自分自身の訓練にならないことを自覚する必要がある。
- AIが生成した文章には誤りや事実でないことも含まれる。使用する場合はこの点を留意すること。
- 生成系AIを活用し、高い教育効果をもたらす授業形式も考えられる。そうした授業については担当教員の説明があるので、その指示に従うこと。
- ChatGPT 等の生成系AIや DeepL 等の機械翻訳の授業内での使用可否について不明な場合は、担当教員に必ず確認すること。
- 特に試験、レポート、課題等においては、教員の指示に従わなかった場合、不正行為として処分の対象となることがある。充分に注意すること。
- 生成系AIを、レポート作成等の参考にした場合は、使用した生成系AIの名称と、レポートのどこにどのように使用したか、それぞれの科目の担当教員等の指示に従い、明示すること。
- AIを使うことの可否の見極めには、講義の内容、進め方、それぞれの場面で慎重な検討が必要である。教員の指示をよく理解し、自分自身でもよく考え、上手にAIと付き合っていくこと。
6.生成系AIは常に変化・進化している。よって、この「基本的な考え方」は、最新の情報や知見に基づき、適宜改訂を行うこととする。