雅楽鑑賞教室【霞会館教育助成金事業】
2025.07.03
グローバル
雅楽鑑賞教室【霞会館教育助成金事業】
国際センターでは、一般社団法人霞会館のご助成により、留学生が日本の伝統芸能に触れる機会を提供しています。
6月21日(土)、学習院創立百周年記念会館にて「雅楽鑑賞教室」を実施しました。
大学、高等科、女子高等科の留学生及び日本人学生、総勢40名が参加しました。
講師を務めてくださったのは、雅楽の演奏家として国内外で活躍されており、本学の卒業生でもある三田徳明先生です。
大唐にて胡人が酒に酔う様を舞にしたものといわれる「胡飲酒破(こんじゅのは)」の演奏から始まりました。
留学生を始め、参加者のほとんどが初めての雅楽鑑賞となります。
まずは三田先生より、雅楽の歴史や、篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅうてき)、琵琶など楽器についての説明がありました。
日本の伝統芸能である雅楽は日本人にとっても敷居の高いイメージがありますが、三田先生の分かりやすく、おもしろい説明で
雅楽の奥深さを知るとともに、次第に親しみを感じ始めました。
参加者は皆、とても真剣に耳を傾けていました。
続いて、雅楽で最も有名な曲の一つであり、結婚式の三々九度(さんさんくど)の盃の際にも演奏される「越殿楽(えてんらく)」など、演目を数曲披露いただきました。
様々な楽器が響きあう「音の重なり」がとても美しく、また荘厳です。
奏でられることで、そこにある空気自体が揺れ、圧倒される迫力を感じました。
その後、参加者全員で各自「今様(いまよう)」といわれる歌作りに挑戦しました。
平安時代の貴族たちがその季節ごとの様子を歌に作り、越天楽の旋律に合わせて歌って遊んでいたものが「今様」です。
7音+5音を4回繰り返して作ります。
オリジナルの今様を、皆真剣に考えます。
作った歌をホワイトボードに書き出し、全員で歌ってみるなど、作品を堪能しました。
先生に選ばれた留学生の作品をひとつご紹介します。
「あじさいはもう かれてゆき なつかぜとおり こもれびに よあけからさく あさがおよ まつのかおりが しずみゆく」
最後に、雅楽の演奏に合わせて舞う演目、「舞楽」の唐楽舞楽「蘭陵王(らんりょうおう)」を披露いただき、終了となりました。
約2時間の雅楽鑑賞教室でしたが、あっという間の時間でした。
参加者からは、「解説が大変分かりやすく、ただ鑑賞するだけでは得られない教養を学ぶことができた」、「音色がとても心地よかった」、「雅楽を聞く機会はあまりないので、非常に貴重な機会であった」、「今様を考える時間がもっとあれば嬉しかった」、などといった感想が挙がりました。
参加者が夢中になっていたことがうかがえる感想が多く、留学生にとっても、日本人学生にとっても、日本古来の音楽や舞にふれる非常に有意義な鑑賞教室になったのではないでしょうか。