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日本語日本文学科のゼミ 「日本語学演習」

青木身祐

2019.04.01

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STUDENT'S VOICE

先生の貴重な経験談を
聞けることが魅力

青木身祐

文学部日本語日本文学科2年 東京都・都立白鷗高等学校 出身

この演習では、『みんなの日本語』という日本語教育の現場で実際に使用されている教科書の分析を行います。学生一人につき一課担当するのですが、その課では何を教えるのか、どんなところに気をつけて教えないといけないかなどを考察し、発表します。発表後は中上亜樹先生が補足をしてくださるのですが、そのとき例に出していただくお話はとても面白いです。日本語教員の経験も豊富な先生のエピソードから、日本語学習者がどんなことに疑問をもつのかなど具体的にイメージできるため、とても参考になります。現在は、大学で留学生の日本語をサポートする活動もしていますが、この演習で学んだことがとても活かされているように感じています。

ゼミの様子


ABOUT SEMINAR

ズボンを「入れた」とズボンが「入った」。
正しい日本語はどっち?

日本語学習者の視点を知ると
客観的に日本語が見えてくる

久しぶりに出したズボンがきつくてはけず、悪戦苦闘した末にようやくはけたとき、「入れた!」と言った中国人の友人がいました。「正しくは『入った』だよ」と教えても、「勝手に入ったのではなく、私が努力して入れたのだから、入れたが正しい」と彼女は言い張りました。

日本語教師として教壇に立っていたとき、こんなこともありました。最初の授業で何でも質問していいよと言うと、「結婚中ですか?」という質問が。この質問自体どうかと思いながら「『結婚していますか?』ですよ」と言うと、「『勉強中』『食事中』はいいのに、『結婚中』はなぜだめなのか」と質問されました。

どちらの例も母語話者であれば、日本語として変だと指摘できると思いますが、なぜ変なのかを説明するのは難しいでしょう。その点、学習者は間違いを指摘されたときの反応から、彼らなりに日本語を分析し、自分のルールに則って日本語を使っていることがわかります。日本語教育では、日本語を母語としない人と接する中で「なぜ日本語でそう言うのか?」という視点をもち、客観的に日本語を分析するクセをつけることが大切です。

周りにいる外国人に関心をもち
交流できる人になろう

日本語教育系の学生は、3、4年次になると模擬授業を行う機会が増え、4年次には日本語学校などへ教育実習に行きます。そのとき、母語話者というだけでは教えることができず、日本語について説明できる文法知識などが必要となってきます。そこでこの演習では、実際に日本語学校で使用されている教科書を使って学習者がどのように日本語文法などを学んでいるかを調べて分析し、発表することで、理解を深めます。

今、日本で生活する外国人が増加し、日本語教師の需要が増えています。また、今後は、会社でも家庭でも外国人が周りにいることが当たり前の世の中になっていきます。日本語教育を学ぶ人には、彼らと積極的に関わり、彼らから学んだり、助けが必要なときには力を貸してあげられる、そのような人になってほしいと思っています。

中上亜樹 准教授

広島大学大学院博士課程修了。国立国語研究所プロジェクト特別研究員、国士舘大学21世紀アジア学部准教授などを経て、2018年より現職。専門:第二言語習得、日本語教育。

中上亜樹 准教授

※学年、肩書は取材当時のものです。