大平 格助教(理学部化学科)がアメリカ・イリノイ州ルモント・アルゴンヌ国立研究所付属Advanced Photon Source (APS)において高温高圧実験を実施しました。
2026.01.15
研究
大平 格助教(理学部化学科)が
アメリカ・イリノイ州ルモント・アルゴンヌ国立研究所付属
Advanced Photon Source (APS)において高温高圧実験を実施しました。
大平 格助教が2025年10月30日から2025年11月4日の期間、国際学術交流Reboost助成事業の助成を受け、アメリカ・イリノイ州ルモント・アルゴンヌ国立研究所付属Advanced Photon Source (APS)において高温高圧実験を実施しました。大平助教によるレポートをご覧ください。
(大平助教レポート)
・出張目的
分担者として参画している国際共同研究加速基金(課題名: 『高圧下におけるケイ酸塩マグマの粘性率・弾性率・密度の異常挙動の包括的研究』、課題番号: 23KK0065、研究代表者: 関西学院大・河野義生博士)で計画に沿い、APS・HPCATの16-BM-Bビームラインでの高温高圧実験を実施する。なおHPCAT(High-Pressure Collaborative Access Team)での高圧実験は、2026年度以降の基盤研究C(研究代表者: 大平本人, 申請中)の計画の一部にもなっており、今回の滞在ではその準備という側面も持つ。
・活動内容
初日の10/30は、APS・HPCATの16-BM-Bビームラインに到着後に実験セルの組立などの準備作業を行った。11/1は高温高圧実験へ向けた温度キャリブレーションを行った。11/2および11/3は、高温高圧下におけるアルミノケイ酸塩メルト(マグマ)の縦波速度測定とその構造的アナログ物質であるガラスの音速測定を行う予定であったが、加熱電源の故障により、上記二成分系ガラスの音速測定のみ実施した。音速測定に加え、白色の放射光X線回折法による二体分布関数の決定も試みた。
・得られた成果
今回の実験ではメルトそのものに対する実験を行うことはできなかったものの、そのアナログ物質であるガラスについては、大気圧から約6万気圧までの加圧過程において音速を測定することに成功した。音速の測定と並行して二体分布関数も取得したため、物性と構造の両面からガラスの高密度化プロセスを解明するためのデータを蓄積することが出来た。またコロナ禍以降直接的な交流が途絶えていたHPCATのスタッフと今後の実験計画について議論することが出来た。
・今後の計画
自身が代表を務める2026年度以降の基盤研究においても、今回用いたHPCAT・16-BM-Bビームラインの高圧その場白色X線回折測定システムを用いる予定であるが、2023-2024年度に実施されたAPSのアップグレードが自身の実験にどれほどの影響が及ぶのかについては未知数であった。今回の実験を通して、基盤研究で計画している測定は、想定よりも高クオリティかつ短時間で実施できることがわかった。今後はHPCATの積極的な活用を見据えた研究計画へ修正していきたい。
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写真1:今回実験を実施したAPSの16-BM-Bビームラインの測定システム |
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写真2:大平助教(Advanced Photon Source (APS)建物前) |









