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生命科学科のゼミ 「菱田研究室」

清水雅斗

2019.04.01

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STUDENT'S VOICE

新しい治療法の
発見につながる研究

清水雅斗

理学部生命科学科4年 埼玉県・私立獨協埼玉高等学校 出身

私は現在、主に大腸菌や酵母を用いて、あらゆる条件下でのDNA損傷ストレスに対する損傷応答機構を研究しています。DNA損傷修復のメカニズムを解明できれば、がんをはじめ様々な病気に対する新しい治療法の発見にもつながるため、病気で苦しむ人を助けることを目標に、日々研究に取り組んでいます。研究室では、菱田卓先生から多くのアドバイスをいただけるだけでなく、大学院生の方も多くいらっしゃり、みなさんから実験方法などを丁寧に教えていただけます。研究に取り組む中で実験が上手くいかないこともありますが、壁に当たったときになぜそういう結果になったのか原因を考察する力、そしてそれに対応する力が磨かれたと思います。

ゼミの様子


ABOUT SEMINAR

「酵母」を使って遺伝子の秘密を
解明する

遺伝子の突然変異。
その原因を探る

ゲノムとは生物がもつ遺伝情報全体を表す言葉で、その実体はDNAからできています。DNAは紫外線や活性酸素などの様々な要因によって常に傷ついており、このような傷(DNA損傷)がそのまま修復されないと、突然変異や細胞死を引き起こす原因となるため、ヒトにおいては発がんや老化と密接に関連しています。

分子生物学の分野で活躍しているモデル生物のひとつが、ビールやパンをつくるときに使われる「酵母」です。酵母は単細胞で増殖するため、培養が容易で短時間で様々な実験手法に使えます。そのため、自分がやってみたいと思った実験を短期間に実現することが可能である点が酵母を使った研究の最大の魅力となっています。

また、酵母はヒトと同じ真核生物であるため、がんなどの病気に関係するヒトの遺伝子と進化的に相同な遺伝子が存在する場合が多く見られます。そこで酵母の遺伝子を詳しく解析することでヒトやマウスの研究では見つけられなかった遺伝子の働きを発見することができます。私の研究室ではこの酵母を使って、がんなどを引き起こすDNAの突然変異は何が原因でどのようにして起こるのか、またこの発生を抑えるメカニズムについて調べています。さらに、これらの基礎研究から得られた知見をもとに、抗がん剤のターゲットとなるような遺伝子機能の発見を目指した研究を行っています。

実験と演習の両輪で論理性を身につける

学生は毎日、実験しながら研究を進めています。その中で、週1回、全員を集めて演習を行うのは、海外学術論文の紹介を通して研究に必要な情報の収集と、プレゼンテーション能力を高めるためです。学生全員に年2回の発表をしてもらいますが、各回とも発表者以外から座長を選び、進行役を務めてもらい、聞き手にも積極的に質問することを促します。理論と実験の両輪で学び、論理的な考え方を身につけ、実験の面白さに気づいてもらいたいと思っています。

菱田卓 教授

早稲田大学教育学部理学科卒業後、民間会社を経て大阪大学大学院医学系研究科博士課程(医学博士)修了。大阪大学・同大学院准教授などを経て、2011年より現職。専門:分子生物学。

菱田卓 教授

※学年、肩書は取材当時のものです。