【開催報告】第13回学習院大学ブランディング・シンポジウム(第33回生命科学シンポジウム)「超高齢社会を科学するⅥ-人間と生態系のサステイナビリティ-」
2023.11.14
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【開催報告】第13回学習院大学ブランディング・シンポジウム(第33回生命科学シンポジウム)「超高齢社会を科学するⅥ-人間と生態系のサステイナビリティ-」
2023年10月28日(土)、学習院大学西5号館201教室にて、本学理学部、国際センター、桜友会寄付講座の共催による第13回学習院大学ブランディング・シンポジウム(第33回生命科学シンポジウム)が開催されました。本学では『超高齢社会への新たなチャレンジ―文理連携型〈生命社会学〉によるアプローチ―』と題するブランディング事業を、本学独自で継続して行っており、豊島区と学習院大学理学部同窓会の後援協力も得て開催された本シンポジウムは、8年目を迎えた成果と位置づけられます。今回は「超高齢社会を科学するⅥ―人間と生態系のサステイナビリティ」をテーマに掲げ、対面とZoom(ウェビナー)によるオンライン配信を併用したハイブリッド形式で実施されました。来場者数は43名、オンラインでは44名の視聴があり、合計87名の参加者が集まりました。
本学理学部生命分子科学研究所の宮澤星織客員研究員の開会挨拶に始まり、第1講演として、嶋田透教授(本学理学部)より人口高齢化と伴い、地域の人口減少及び農地の放置は実際に環境問題及び生物の多様性に悪影響を与えること、及び病害虫、鳥獣・雑草などの被害を妨げるため、化学農薬だけではなく、農業や環境に優しい「遺伝子ドライブ」というバイオテクノロジーを使用することも期待できることについて、ご紹介いただきました。続く第2講演では高田まゆら教授(中央大学理工学部)より、ニホンジカの事例を取り上げ、野生動物の食性が農作物への依存度が高くなると、体が大きくなる傾向があり、若年期に繁殖することが可能になるため、野生動物の個体数が増えることによって農業被害がさらに深刻になることについて、ご講演いただきました。最後に第3講演として、小島和男教授(本学文学部)より、高齢化社会と環境の問題から人間の存続のそもそもの是非を取り上げ、ベネターの「快と苦の基本的非対称性」からの「反出生主義」及びブーニンからの反論を紹介し、子どもを産むことが無条件に肯定されることはなく、積極的に奨励すべきことでもないという倫理的な考えをご紹介いただきました。後半の「総合討論」の時間には、参加者から寄せられた質問に対する応答を中心に活発な議論が交わされ、高島明彦教授(本学理学部)の閉会挨拶をもってシンポジウムは閉会しました。
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